迷宮への招待状

今日は、朝日カルチャーセンター主催の堀内進之介氏とNMB48の須藤凜々花さんの実存哲学に関する講義に参加してきた。

 

自分がカルチャーセンター主催のイベントに参加するなんて、数年前まで思ってもいなかった(やっぱりカルチャーセンターって中高年以上の人向けなイメージが。。。)

 

大学にも行ってないし、ビジネスがきっかけで哲学を学び始めた自分としては、正直哲学のカテゴライズには興味がなくて、カントやヘーゲル、ホッブス、ニーチェなど様々な哲学者や社会学者の考えを自分のビジネスや生き方に落とし込むかということを重視しているので、実存哲学という一分野の講義というのは非常に興味深かった。

内容としては、著書で語られていることをベースに実存哲学の本質に迫っていくというような内容でした。

 

ここで具体的に書いてもいいけど、あの場にいないと得られない感覚が多いので、興味がある方は著書「人生を危険にさらせ! 」を読む方がいいと思います。。

今回の講演の感想として、著書の感想にも通じる部分もありますが、
“入門編として、とてもわかりやすくもあり、非常にわかりにくいものでもあった”と私は感じました。

 

これは、講師2人の問題ではなく、聞き手である私たちの問題です。

講演タイトルに「招待」と銘打っている以上、専門用語をバンバン使っての講義にすることは出来ず、どうしても抽象的かつ本質を捉えた言葉で話しを展開せざるを得ません。

 

難しい言葉をわかりやすく語るということは、重要だと思いますし、すごくスキルが必要なことです。しかし、専門用語というのは定義がしっかりしているため認識の相違が起こりにくいという重要な面を持っています。

 

逆にわかりやすい日常語や抽象的な言葉というのは、個々人の定義が曖昧で認識の相違が生まれやすく、そして“わかった気になりやすい”ものなのです。

 

「ヤバい」「ウケる」で会話が成立してしまうような若者を想像してもらえれば、なんとなくイメージがつくかもしれません。何がどうヤバいのか、何がウケるのかを一切説明していないにもかかわらず、なんとなく共有できている気になってしまうのです。(別に否定をしているわけではないです)

 

それを今回の講演に当てはめると、
「話している言葉や内容の意味はわかった。けど、それが本当に意味していること、自分の人生にどう影響を及ぼすかは簡単にはわからない」のです。

 

今回の“招待”は、コナンや金田一などの探偵ものの物語によくある、パーティーに誘われ楽しみに行ったら、大きな事件に巻き込まれてしまった。

個人的には、そんな招待状のような感じがしました。

迷宮入してしまうのか、どうかは参加した私たち次第、
だからこの著書や講義をきっかけに、哲学書を読んでみたり、話していた内容を自分の実生活に当てはめて考えてみると世界の見え方が変わるんじゃないかと思うし、自分自身もわかった気にならず、常に自分の頭で考えることを意識していこうと改めて気付かされた講義でした。

 

最後に講師の方に対する感想を

まずは、須藤さん。
アイドルであることや名前、哲学者になりたいということは知っていたが、特にファンという立場ではなく、参加させてもらったのですが、自分の頭で考え、自分の言葉で語るという姿勢は尊敬します。(偉そうに見えたらすみません)
アイドルの立場から哲学を語ることで、アイドルファンに哲学を好きになるきっかけを与えると思うし、逆に哲学好きの人にアイドルを好きになるきっかけを与えられると思います。

ガダマーの言っていた地平融合を多くの人と起こせる移動力があると思います。(僕がビジネスで意識している部分でもあります)

これから興味を持って追いかけていきたいと思いました。

 

 

堀内さんは
哲学に限らず、いろんな情報をその人に合わせ提示し答えを導くスキルが素晴らしく、コンサルタントをしている自分には参考になる部分が多かったです。
一番すごいなーと思った部分は、須藤さんの「素」を引き出すためにあえて厳しい問いを投げかけたり、感情を表に出すように仕向けたりしていた部分でした。

あれは、アイドルという立場上、相対的になりかねない須藤さんへの助け舟な気が個人的にはしていました。そうして、主張を議論の場にあげる助けをしていたのではと勝手に関心してしまいました。

うーん。最後は講師に対するお礼文みたいな感じになってしまいましたが。。。苦笑い
哲学的な知識としては、特に目新しいものはなかったけど、実践的な学びの多い講演でした。

 

 

P.S 講演の最後に質問コーナーがあり、気になった質問の個人的な回答を
(質問内容はすごくざっくり意訳してます)

Q 後悔しない人生の過ごし方はあるのか
A 人は経験や知識を積み日々成長する存在だから、今日の自分は昨日の自分よりも良い判断ができる。だから後悔するのは当然である。個人的なスローガンは「人生すべてが黒歴史」

Q 死が怖い理由
A 時間の連続性による一貫性が人間の存在を担保しており、死はその連続性を絶ってしまうため、自分が無になることに対する恐怖だと思う。(新しいことを始める恐怖も一貫性が崩れるから怖いんだと個人的に思ってます)
あぁー文章、書き直したいけど感想だから勢いも大事だ!と自分を納得させようw